下記は、指導報告の中からの抜粋です(^^)/
Aリスク分散について
○○くんはアルバイトの面接を受けるようです。
冬休みに中型免許の試験を受けるとのことで、
とにかくお金が必要とのことでした。
そこで、
・○○くんの現状の問題点といかにリスクなく実行するのか
ということについて、お話しました。
具体的には、
◎複数のことを同時に行うことでリスク分散する
というお話です。
○○くんはコンスタントにお金が必要とのことなので、
「2つのアルバイトをかけ持つことで、
たとえ片方がイヤになって辞めても
もう片方のアルバイトをしていれば、
すぐにゼロにはならないよ」というお話しました。
びっくりしたのは「ずるいなぁ…」と
○○くんがコメントをしたあとです。
「二兎を追う者は一兎をも得ず、じゃないですか」
と鋭い指摘をしてくれました。
私は思わず感動してしまったのですが、
○○くんはこういう点が他の子よりも優れています。
この指摘に関しては、次のように反論しています。
「この諺はそもそも一兎を得るまでにある程度の力を
そこに割く必要があることが前提なのね。たとえば、
人間の力が100あったとするでしょ。」
「一兎を得るのに80の力が必要なんだよ。
だから、自分の100の力を二兎に50ずつ使ったら
一兎も得られないってことなんだ」
「一兎にだけ力を割けば、もちろん一兎を得ることはできるよ」
「この諺はそういうのが前提になってる」
「でも、アルバイトのお話は違うでしょ」
「一つのところで力ある程度の力を割かないと5万円もらえない、
というわけじゃない。5万円か0円かということではなくて、
1万円でも、2万円でも、3万円でもいい」
「だから、1つのところで5万円を稼ぐのではなくて、
2つのところから2万円と3万円を稼げばいいんだよ」
「だから二兎を追う者は一兎をも得ずとは違うんだ」
これからもこういったお話しを
織り交ぜていきたいと思っています。
国語で習ったことを数学的に考えてみると、
面白いことがたくさん見えてきます。
○○くんにも別の切り口で物事を見る体験を
してもらえたらうれしいです。
二兎を追う者は一兎をも得ずじゃないのか!
という反論に対して、そもそもの前提を崩すために数字を使って、お話しました。
◎数字を手段として活用して、物事の前提を疑う
という姿勢は将来的に、ものすごく役に立ちます。
使っている数字そのものは難しいものではありませんが、数字に対する理解の深さは必要です。
また、諺と数字という一見関連性のないものであっても、アプローチ方法として数字を用いてみることで、見えない世界がすっきりすることがあります。
*ちなみに今回は、教科「数学」を学習する上での4つの評価観点のうちのひとつである数学的な考え方の中の「数量化の考え方」を用いました。「数量化の考え方」の定義は、それぞれの研究者の定義によってマチマチですが。。。
この子は、もともと勉強が大嫌いな子でした。
原因は中学受験によるイヤイヤ勉強を塾で強制させられたためです。
今のこの子には、こういったアプローチが大事だと思っています。
「数学は役に立たない。だからやらない」
という発言を連発し、勉強しないことを正当化しています。
そのため、いかに数学を活用して考えている場面を私自身が見せてあげることがきるかが勝負だと思っています。
もちろん数学の問題で数学を用いて考えるのは当たり前なので、いかに関係なさそうなところと数学を結びつけて、考えていくのかを見せることが大事です。
そうすれば、
「数学は役に立つ」
ということが伝えられます。
数学の先生の数学が役に立つは、数学を教えているから数学が役に立っているにすぎないことが多々あるので、子どもたちには届きません。。。
だから、もっと一般的な視点から見て、役立つことを見せないと…です。
そうしないと、役に立つ・役に立たないの話は解消できません!
ちなみに、役に立たないという子には、役に立つ場面を実際に見せることが一番効きます(^^)
これからもこの子のためにがんばります☆
LFLはあらゆるニーズに応えることができるようにがんばってますよ(^^)
p.s.
あっ、ちなみに役に立たなくてもやらせる…というのは私は反対派です。受験に役立つから…という説明も反対派です。
数学教育を見てきたものとしては、それは単なる逃げだとしか思えません。
学校でわざわざ「教科」として、全世界の人が学んでるのは、教科を学ぶことでその子の能力開発を行うために存在するわけだから。
*「教科」と「学問」はまた違います。今は「教科」の話をしてます。
だから、それと関連付けられなかったら説得力が全くありません。。。