メルマガ読者さんからいくつかご相談をいただいています。
共通していると思われる点については、
こちらでもシェアしたいと思いますので、
参考になりそうな方がいらっしゃたらどうぞ^^
個人が特定されないように一部抜粋しますね。
【ご相談内容】
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せっかくカウンセリングをしていただいたのですが、
相変わらずのんびり気分で、
自らコツコツ取り組むという気配が感じられない事です。
あの時点では、英数は割りと先行して、
理社は学校の進路に併せてと話をしましたが、
数学は言った程進んでいないようです。
模試を受けて、その結果自分がどういう状態であるかは
わかっているはずなのですが他の人はかなりやってきてこの点数、
自分はこれからの伸びしろがあるから大丈夫と
過信している様子です。
まさに典型的な楽観主義ですね。
受験が甘いものではない、今どんな状態で、
いつまでに何が必要かを冷静に思い知る、
良い方法はないでしょうか。
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この手のお話は本当によくある話です。
以下、回答しますね。
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>他の人はかなりやってきてこの点数、
>自分はこれからの伸びしろがあるから大丈夫と
>過信している様子です。
よくこのような子はいます。
難関大受験生に多いです。
自分の実力を数字だけで判断できないんですよね。
変なプライドが邪魔をしていて冷静な判断能力を失っている状態です。
>受験が甘いものではない、今どんな状態で、
>いつまでに何が必要かを冷静に思い知る、
>良い方法はないでしょうか。
よくある方法としては、
実際に過去問を解いてみることです。
合格ラインにどれほど足りていないのか
現状での実力を把握するのにピッタリです。
ただその点数を正しく解釈するのには、
適切なフィードバックが必要です。
そうでないと、きっと勝手に
「秋から伸びるから大丈夫」
と解釈してしまって、
自己完結して終わってしまうと思われます。
人はフィードバックされることで学習が促進されるのですが、
厄介なのはその点数をみて周りの大人の誰かが
「秋から伸びるから大丈夫だよ」
というものなら、もともとそのように思っている
○○くんは再度そう思い直してしまうこともありえます。
自分のほんの少しでも思っていることを、
後押ししてくれる人のことの言うことを信用しちゃんですよね。
心理学でいう"強化"に相当します。
(ちなみに学校の先生がそのように言っているようであればかなり厄介です)
だから、そうならないようにするためにも、
「あと○○点必要で、ここは学習してないからあと○点取れるとしても、
このままだと全体で○点足りないわけだから、全体的にさらに学習しなきゃね」
等々のフィードバックを意図的に行っていくことが必要です。
前向きに取り組む姿勢そのものは大切ではありますが、
思い込みが強いだけで学習する時間を割けない場合には問題があります。
特に思い込みが強く自意識過剰気味の子の場合は、
粘り強くこれらのフィードバックを繰り返していきます。
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「とにかく過去問を解いてみなさい」
ということはよく言われることです。
ここでのポイントはそれだけでは無理です、という点です。
子どもの認知的側面に影響を与える必要がありますので、
適切なフィードバックを繰り返していくことが何よりも大事です。
基本的な考え方として、
人間は今の自分の思考の枠組みの中で、
目の前にある現状を捉えることになります。
そのため、現状の解釈を適切な方向に持っていくには、
別の他者からのフィードバックがなくてはその方向にいけません。
同じような失敗を繰り返す子がよくいます。
そんな子に対してある方は、
「経験を積めばいい」
ということをひたすら強調しているケースもあります。
そんな単純なほど教育は甘い世界ではないですよ。
そういう子も同じなのですが、
同じ思考の枠組みの中だけで考えますので、
同じ過ち・間違いを繰り返してしまうんです。
たとえば、経験だけでよいのであれば、
なぜいつまでも算数・数学ができない子がいるのでしょうか。
結局、、、
同じ見方でしか問題をみることができないからです。
数学的な見方・考え方ができないから伸びないんです。
だから、その子の解釈を別の方向に持っていくためにも、
別の解釈の方法があることを他者が示す必要性があります。
またそう解釈可能なように導くことも必要です。
↑示すだけだと、他者が考えてしまっていることになるので本当はダメです。
その子が自分の思考の枠組みの中で考えて、私たちが考える結論と同じ結論になるように、
導いていくことが本当は必要です。だからその子の考え方を詳細に把握することが大事です。
実はそこが、先生の腕の見せところ・・・だったりもします^^;
子どもたちの"思い込み"からの脱却は非常に難しいです。
でも粘り強くやり続ける他ないようには思います。
きっと同じ悩みを抱えている方もいらっしゃると思います。
どなたかの参考になれば!
ではではー!
今日はこの辺で。
また次回お会いしましょう^^
齋藤裕一
追伸:
学習量の量的把握も参考になるかもしれません。
小学校の算数で習いますが、
"概数で把握する"
ということは非常に有効な手段です。
いろいろな場面で使えます。
http://www.lfl.jp/know/colum4.html
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