学校から肩叩きにあい、赤点の状態から私の指導がスタートしました。
7ヶ月で230名中5位です。
この子は私の指導が終了し、『卒業』という形をとっています(私の指導を必要としている子はたくさんいますので…)
現在は、上野が英語を指導してます。
以下は上野の指導報告です。
いきなり教科の指導には入らず、授業の前半90分を使って、「勉強は好きか」というテーマで○○君とお話をしました。
まず、私の方から「勉強は好きか」と聞くと、○○君は「あまり好きじゃない」と答えました。そのことに対し、「なぜ勉強が好きではないのか」と聞くと、○○君の口から以下の3つの理由が出てきました。
@大変だから
Aつまらないから
B興味がないから
そこで、3つの理由それぞれについて、さらになぜなのか?と具体的に掘り下げたところ、
@に関しては「暗記が大変」(英単語、古文単語、世界史、地学の暗記)
Aに関しては「授業で先生の言ってることが分からないから(古文)。将来の役に立つとは思えないから(古文)。」
Bに関しては「なぜ興味が無いのか分からない」と答えたので、「全部の教科に興味がない?」と聞いたところ、「数学は興味があるし面白い」と答えたので、その理由を答えさせました。すると、○○君は、「数学が面白い理由は、自分の知らない世界に飛び込んで、分からないことが分かったときに喜びを感じる」と答えました。
このことに対し、「それは数学に限らず、他の教科でもそうじゃないの?」と聞いたところ、「たしかにそうだけど、数学の場合は、一見難しそうに見える問題が公式や計算を駆使することで解けるようになるところが面白い」と答えてくれました。
以上の3点の理由から勉強が嫌い(また、なぜ数学は好きなのか)ということが分かったので、その解決策を一緒に考えました。解決策については以下のとおりです。
@に関して、志望校の東京理科大の受験を考えた場合、避けては通れない英単語の暗記に的を絞って解決策を提示しました。まず、○○君は英単語帳で単語を機械的に覚えることに対して抵抗があるようなので、次のような方法を教えました。問題を解く際に分からない単語に出会ったら、辞書代わりに単語帳を引き、その問題文中の英単語に下線を引いて、その単語が載っているページ数を書かせ、単語帳のほうにも一度調べたということでチェックを入れるというやり方です。この際のポイントは単語の意味を書きこまないことです。こうすることで、もう一度同じ文を読み返した際に、単語の意味を忘れていたらページ数を見て再度単語帳を引く必要があります。そして
再度意味を確認したら、単語帳に再びチェックを入れます。このチェックを合計で6回入れるという方法を教えました。
今後、実践しているかどうかを毎回の授業のたびに点検します。
Aに関して、好きな数学、嫌いな古文のなにが違うのかを考えさせたところ、「数学は学ぶべきことがはっきりしているが、古文や英語は学ぶべきことが漠然としている」という結論に達しました。よって、これから、英語を指導していくに当たって、英文法を公式化し、その公式を利用して問題を解かせていくことにします。
またこうした話の中で、○○君に対して、日々の生活の中で常に「なぜ?」という疑問を持つように強調しました。これによってすべての教科のベースとなる論理的思考力を養うきっかけができればと考えています。
途中10分ほど休憩を挟み、残りの80分で宿題として指定した「基礎英文法問題精講」の関係詞の問題解説をしました。ただ解説するだけでは学習効果が低いので、まずは基礎事項の確認を徹底しました。具体的には以下の事項の確認です。
「関係詞とは何か?→形容詞節を導く接続詞である」ということから以下の説明に派生しました。
「接続詞とは何か?→節と節を接続する詞である」
「形容詞とは何か?→英語の4大品詞(名詞、動詞、形容詞、副詞)の意味と役割についての説明」
「準動詞とは何か?→Vに他の3品詞(名詞、形容詞、副詞)の役割を与えたものである」
「従属節とは何か?→接続詞+SVのことで、これも3品詞(名詞、形容詞、副詞)の役割を持つということ」
というように、一見バラバラに見える英文法を一貫した知識として再認識させました。
その後、関係詞を選択する問題の解き方を公式化したものを提示し、その公式にしたがって例題を解かせてみると、例題に関してはスラスラ解くことができ、○○君も解けることの喜びを感じているようでした。
練習問題の解説までする予定でしたが、前半の話の部分に時間を割いたため、解説までいきませんでした。
よって、関係詞の練習問題の解説は次回に回します。
今回の授業の目的は、
1.○○君の勉強に対するモチベーションの把握し今後の指導の方針を立てることと、
2.英語も数学と同じように解けることに喜びを感じてもらう
という2点であったため、それは達成できたのではないかと考えます。
次回の授業は今回できなかった関係詞の練習問題の解説と態の箇所の説明をします。
宿題として、今日の公式を踏まえた上での関係詞の練習問題(P140〜141)の解きなおしと、態の練習問題(P194〜195)を指定しました。また、分からない問題には理由をつけるようにも指示しました。
やる気が出ないときは、机にかじりつくのではなく、テレビを見ながらでもいいので、時間を見つけて解いておくように伝えています。
赤字は生徒が発した言葉です。
外的動機付けを重視した指導であれば、
『卒業』して9ヶ月たった今、このような発言はでないですよ。今もなお継続して好成績を出せないですよ。
私はこれが教育だと思ってます。