どちらを大切にするか?
これって結構意見が分かれますよね…
みなさんはどちらを大切にされてますか?
私の個人的な意見を書いてみます。
私の基本姿勢としては、過程を大切にしてます。
私は「"正しい過程"を踏んでいれば、しっかりと"正しく結果が出る"」と思っていますし「"誤った過程"を踏んでいれば、しっかりと"誤った結果が出る"」とも思ってます。ですので、過程さえ正しければそのあとは気にする必要がなく、大丈夫だと判断します。
ですので、たとえば家庭教師における指導に関しても試験の結果よりも過程を重視した指導をしています。日々の指導を重視し、生徒の中間試験の結果は単なる指導に対するフィードバックとして捉えてます。
もちろん、結果が良くなかった…ということは、過程が正しくなかったということです。試験の結果は自分の指導や生徒の学習に対する総括的評価として捉え、そこから日々の指導を改善し、次回に備えています。
過程を意識をした指導。
私にとっては大切な考え方です。
えっと…
ここでちょっと問題がおきますが、過程と結果といったときにどこまでを一区切りとして考えるかを意識しないといけません。
上記の例で言えば、定期試験単位での過程と結果です。年5回の定期試験があるとすると2ヶ月〜3ヶ月単位で考えていることになります。
ですが、私の過程と結論に対する意識は2〜3ヶ月単位だけではありませんよ。これはどちらかというと私にとっては"長期的な過程と結論"です。
私はいつも"短期的な過程と結論"も同時に考えてます。この"短期的な課程と結論"という単位は、1回ごとの指導単位を指します。
1回の指導が過程に相当し、次回における定着度合いがそれに対する結果になります。ですので、小さな枠組みとして1週間単位での過程と結論があり、大きな枠組みとして2〜3ヶ月での過程と結論があります。
短期的と長期的
両方を同時に考えながら指導することが大切だと思ってます。
短期的な過程と結論…
そんなことを意識しているせいか、グループのみんなにもちょっとずつ伝染してるみたいです(^^)
グループメンバーの最新の指導報告を掲載しますね。
たぶん日本全国どこの家庭教師センターよりも詳細なものですよ。他のところと比較したら失礼に値するくらいです。(栄○さんの個別指導なんてたった2行で約60字程度ですから…)
■本日の指導について
まず、今日やることを○○君に質問し、確認をしました。
?T、日々の学習のチェック(速単一日一文、単語・熟語テスト、ノートまとめ)
?U、「パワーノート英文法」
宿題解説(22章、23章、14章)、要点説明(24章、25章)
?V、日々の学習計画
?T、日々の学習のチェック(速単一日一文、単語・熟語テスト、ノートまとめ)につ
いて
・速単一日一文
一日一文、きちんとこなしてくれていました。速単は今のペースで続けていってほし
いと思います。
・単語・熟語テスト
単語は423まで(前回から+109)、熟語は228まで(前回から+148)進
めてくれていました。
目標は6月3日までに単語は800まで、熟語は450まです。○○君が決めてくれ
た目標なので、残りの5日間で何としても達成するように伝えました。自分で立てた
目標を妥協してしまうようでは、これから先の受験は乗り切れないと思います。なの
で、必ず達成するように伝えました。
そのために、6月3日までの5日間、一日あたりどれだけ進めなくてはならないかを計
算させ、一日こなしていくべき単語・熟語数を決めさせました。計算させた結果、単
語は76個、熟語は45個ずつ進めていけば6月3日までに終了することが分かりま
した。これを受けて、○○君は「一日単語を76個、熟語を45個ずつ進めていきま
す」と決意してくれたのですが、「計画通りに進まなくて、最終日に200個とかた
まってしまったらどうするの?」と聞くと、「たしかに…」と口ごもってしまったの
で、目標の設定の仕方について以下のようなお話をしました。
☆目標の設定→上限と下限を設定する
目標を設定するには上限(最高でここまで)と下限(最低でここまで)を設定したほ
うが良い。上限と下限を設定することで計画通りにことを進めやすくなるから。
例えば、センター試験の英語の目標点数を180/200と定めた場合、180を下
回った場合は、「うまくいかなかった」と落胆し、180を超えた場合は「俺って出
来るじゃん」と調子に乗ってしまう。これを目標は160〜180と設定しておけ
ば、この区間内の点数であれば、計画通りということになる。
以上のことをノートに書かせ、説明しました。この話を受けて、これから5日間は単
語は76〜100個ずつ、熟語は45〜60個ずつ進めていくことを決めてくれまし
た。
・ノートまとめ
ノートまとめはきちんと出来ていました。このまとめノートはまとめればそれで終わ
りではなく、これから問題を解いていく際に、適宜参照することで効果を発揮すると
いうことを伝えて、英語の問題を解く際には常に側において確認するように指示しま
した。
?U、「パワーノート英文法」について
本日は○○君が「パワーノート英文法」を忘れてしまったため、進めることが出来ま
せんでした。○○君は「何で忘れるんだよ!」と自分をひどく責めていました。これ
に関しては、受験に対する意識がまだまだ足りないとしかいいようがありません。忘
れた理由について詳しく聞いたところで、○○君を精神的に追い詰めるだけだと判断
し、「忘れるのなんてのは問題外だってことは分かるよね」と話し、次回までにやっ
ておくべき宿題を追加しました。
?V、日々の学習計画について
単語・熟語が計画通りに進んでいないことと、「パワーノート英文法」を忘れてくる
ということから、今一度日々の学習時間について考えさせる必要があると思い、学習
計画についてお話をしました。
○○君は指導し始めたころに比べれば、かなり受験に対する意識は変わったと思いま
す。しかし、今のままで最終的な医学部合格という目標を達成できるかというと、正
直言って厳しい状況です。そのことをわかってもらうために、以下のようなお話をし
ました。
「○○君は指導し始めたころに比べれば、勉強するようになった。でも、医学部受験
生としてはまだスタートラインにすら立てていない状況だよ。医学部受験では高校3
年間きちんと勉強してきた人ですら3浪、4浪するのが当たり前のような世界なんだ
よ。高校3年間まともに勉強してきたって言える?」と聞くと「やれてないです」と
答えてくれました。「その3年間分を補って、さらに合格レベルまで応用力をつけ
るっていうのを1年間でやるのがどれだけ大変か分かるよね?」と聞くと、「分かり
ます」と答えてくれました。
実際現在どれだけの勉強時間が取れているかということを知るために、一日のタイム
スケジュールを書かせました。以下その内容です。
-------------------------------------
7:50 起床
8:00 朝食
睡眠
9:00
準備・移動時間
10:00 予備校到着
勉強時間
19:30 予備校を出る
移動時間
20:30 帰宅
夕食・風呂・単語熟語覚える
22:00
単語熟語チェックテスト
23:00
読書(小説)
2:00 就寝
-------------------------------------
上記のタイムスケジュールから予備校の自習室で勉強している時間が9時間、帰宅後
単語熟語を勉強している時間が1時間で、計10時間は勉強していることが分かりま
したが、勉強時間というよりも意識の面での問題点が浮き彫りになりました。以下問
題点です。「」内は○○君の言葉です。
1、「朝8時頃にお父さんに起こされて、一緒にご飯を食べるんですけど、起こされ
るせいで眠くなってしまいます」
2、「移動時間は勉強に集中できないので、今日やることを頭の中で考えています」
3、「夜は眠れないので、小説を読んでます」
1について
「起こされるから眠くなるということは、もっと睡眠時間をとりたいということ?」
と聞くと、「睡眠時間は6時間は必要だと思ってたんですけど、書き出してみたら、
なんだかんだで睡眠時間は6時間とれてますね」と答えてくれました。ここで問題な
のは、○○君はうまくいかないことを周りのせいにする傾向があります。予備校の授
業について「化学の先生は雑談に時間をかけすぎている。あんなの意味がない」と
か、この場合も「お父さんが起こすから眠くなる」というように周りのことを悪く言
うだけで、自分自身を見つめようとしていません。そこで、「周りのことを悪く言っ
て、どうしたいの?何も変わらなくない?自分から動き出さなきゃ何も始まらない
よ。予備校の授業が意味がないって思うなら、出るのを辞めればいいじゃん。お父さ
んに起こされるのが嫌なら、起こさないでって言えばいいじゃん」と話し、「その代
わり、授業に出なくなったら、化学は全部自分でやるしかないよ。お父さんが起こし
てくれなかったら、自分で起きれるの?」と聞くと、「予備校の授業については先生
のことをとやかく言っても仕方ないですね。朝は自分ひとりだと寝過ごすかもしれな
い」と話してくれました。
私が受験に失敗した時期も周りのせいにする傾向がありました。周りのことを悪く
言ったところで、自分自身の成長はありません。自分自身を見つめなおさなきゃ目標
なんて達成できないということをお話しました。
2について
移動時間は集中できないからとの理由で、勉強をしていないという点ですが、これも
1と同じように自分自身を見つめることができていないからだと思います。「集中で
きないから勉強しないってそれでいいの?集中できないなら、集中できるように工夫
しなくちゃいけないと思わない?」と聞くと、納得してくれました。
3について
受験とは関係のない小説を読んでいることも問題ですが、一番問題なのが、「眠れな
いので」という言葉から分かるように、眠ろうとしているという意識の甘さです。こ
のことに関して、「たしかに、生活リズムを整えるのに、きちんと睡眠時間を確保す
る必要はあるよ。でも、それは普通の受験生の話ね。竜一君がやろうとしている一年
間で医学部に合格するっていうのは、そんな意識で達成できるような生易しいもので
はないんだよ。」と話をしました。私が考える、受験で成功するために必要な意識の
レベルというお話をしました。
☆受験で成功する意識のレベル
レベル1:やる気や意欲がある
レベル2:勉強時間が確保できる
レベル3:勉強時間を効率化できる
これは私の経験に基づくものですが、目標とのギャップが大きいほど高い意識レベル
が必要になります。私の例で言うと、現役時代はレベル1でした。やる気はあるけ
ど、行動が伴っていない状態です。1浪時代はレベル2でした。やる気も、勉強時間
も取れているけど(1浪時代の一日の勉強時間は13時間以上)、時間を効率よく使え
ていない状態(センター試験でしか必要ない政治経済の勉強のウェイトが大きすぎる
等)です。最終的に受験に成功した2浪時代はレベル3でした。やる気も時間の確保
も当然のことで(勉強以外の時間は考慮にいれていませんでした。寝る時間など決め
ず、集中力が切れてきたら、部屋の電気をつけっぱなしにして2時間程、仮眠をとる
程度)、さらに限られた時間をいかに効率よく使えるかということを突き詰めまし
た。
○○君はというとレベル1と2の間です。やる気はあるけど、勉強時間が十分確保で
きていない状態です。これは単純に時間数という問題ではなく、勉強しない時間があ
るということが問題です。「医学部受験では普通に高校3年間きちんと勉強してきた
生徒が多浪するのに、高校3年間きちんと勉強できていなかったのに、普通の受験生
と同じことをしていて受かると思う?」と聞くと、「確かに普通にやっていても無理
そうですね」と話してくれました。
以上の話を踏まえて、今の○○君の一日のタイムスケジュールを大幅に見直してもら
うために次のような方法で指導しました。
?@普通の人がありえないと思うほど勉強する人一日のタイムスケジュールを書いても
らう
?A自分のタイムスケジュールと照らし合わせて、自分ならどこまでやれるかを決めて
もらう
?@について
漫画とかであるような「普通無理でしょ?」と思うようなスケジュールを考えてもら
いました。
以下そのスケジュールです。
-------------------------------------
6:00 起床
勉強
8:00
朝食
8:20
移動時間
8:30 予備校到着
勉強
20:00
移動時間
20:10 帰宅
風呂・夕食
20:40
勉強
2:00 睡眠
-------------------------------------
勉強以外の時間は最小限に抑え、一日19時間勉強に割いていることになります。睡
眠時間が4時間であることを考えると、勉強以外の時間はわずか1時間です。
?Aについて
上記の自分のタイムスケジュールと、?@を照らし合わせてみてもらって、竜一君自身
で可能だと考えられるスケジュールを考えてもらったところ、以下のようになりまし
た。
-------------------------------------
6:00 起床
勉強
7:30
朝食
8:00
移動時間
9:00 予備校到着
勉強
19:30
移動時間
20:30 帰宅
風呂・夕食
21:00
勉強
1:00 睡眠
-------------------------------------
睡眠時間と生活時間を除くと、一日の勉強時間は16時間です。○○君は「まずはこの
スケジュールを一週間こなしてみます。」と話してくれました。
■宿題・連絡事項
宿題の内容は以下のとおりです。
?@日々の単語熟語テスト(単語一日76〜100、熟語一日45〜60ずつ)
?A「速単必修」一日1文章
?B「パワーノート英文法」
14章〜20章、24章、25章の要点問題と練習問題
26章:否定の要点問題
?Cノートまとめ
本日はパワーノート英文法が進められなかったので、一人でやれそうなところを宿題
として追加しておきました。
まずは一週間○○君の頑張りに期待したいと思います。
■次回の指導について
○月○日(○)10:00〜12:00です。
内容としては、
・ノートまとめのチェック
・日々の課題の確認
・「パワーノート英文法」宿題解説(14章〜20章、24章、25章の要点問題と
練習問題)、要点説明(26章)
を行います。
よろしくお願いします。
上記は1回の指導に対する指導報告です…(^^)
1ヶ月単位や数ヶ月単位でのものじゃありませんよ〜
家庭教師関係者の方、塾関係者の方はたぶんこの量を見て度肝を抜かれると思います…
こんなに熱心にやってるとこなんてありませんからね…(^^;)
それと…
ちなみに私のグループでは毎週毎週研修を行ってます。
指導方法などの議論を頻繁に行ってます。
「評価研修」という名目でお互いに学び合い批判しあってま〜す(^^)
議論を通して考える機会を提供し、さらなる自己の成長へつなげる…
もはやグループの文化になりつつありますね!!
よい循環を創るためにも日々がんばりま〜す!
みんなで頑張って"良い過程"を作り上げます!!
そして、それが"良い結果"に必ず繋がると信じてます!!!
p.s.
今日はまたずいぶんと昔の記事から結構いらっしゃってますね…
ありがとうございます。
こちらとこちら