>でもだからといって単に「試行錯誤しなさい」という先生…
>これもちょっと…
>そんな先生には「試行錯誤って何ですか?」と聞いてみたい…
ということを書きました。
試行錯誤について、もう少し掘り下げてみたいと思います。
以下、目の前にある広辞苑の説明です…
「新しい状況や問題に当面して解決する見通しが立たない場合、いろいろ試みては失敗を繰り返すうちに、偶然成功した反応が次第に確立されていく過程」
上記のなかで、もっとも大切だと思う部分はどこだと感じますか?
以下、3つを抜き出してみます。
選択してみてください。
@"解決する見通しが立たない"ことを認識できる力
A"いろいろ試みて"みることができる力
B"失敗を繰り返すうちに"できるようになる力
(3つを比較してどれが大切だと思うか?と考えること自体が間違っている可能性もありますが、一つの考察として書いてみます。本来は3つを同時にできないと試行錯誤できない…ということですし)
また、もっと他の部分を抜粋する方もいるかもしれませんが、便宜的に上記の3つからの選択にしたいと思います。
今回は、
・メリット(その力が身についている)
・デメリット(その力が身についていない)
に分けて考えてみますね。
@"解決する見通しが立たない"ことを認識できる力
を選択した方…
・メリット
見通しが立たないことが認識できれば、他のアプローチから挑戦してみよう!!と発想を変えて挑戦することができますね。他のアプローチから挑戦してみることで解決に至るかもしれません。
・デメリット
解決する見通しが立たないのに、それを本人が認識できないでいると、いつまでたっても同じことばかりやっていてずーっと解決できないです。解決できないことを認識できれば他のアプローチでやってみよう!!と発想を変えて挑戦できますが、認識できないので同じ思考ループに嵌ってしまうと思われます。
A"いろいろ試みて"みることができる力
を選択した方…
・メリット
いろいろ試してみることができることができれば、何度も挑戦することが可能になります。「このアプローチでやったみたけどダメだった。」「今度はこっちでやってみた。でもダメだった。」といったようにたくさんの試みができれば、思考がストップすることはありません。代替案を考え挑戦していくことができます。
・デメリット
いろいろと試すことができないと、すぐに諦めてしまうことになります。「やってみたけど、ダメだった」といったように色々と試せず("試さず"ではありません)に1回やっただけですぐに諦めてしまうことになります。
B"失敗を繰り返すうちに"できるようになる力
・メリット
失敗を繰返すうちにできるようになるということは、失敗を失敗としてきちんと受け止めそこから学習して次につなげているということです。この力があれば日々成長していくこと間違いないでしょう。
・デメリット
同じ失敗を繰り返しているということでしょうか。失敗を失敗として捉えていないか、もしくは何も考えずにただやっているだけの可能性があります。これでは次に繋がることもなくまた同じ失敗を繰り返し続けることになります。
大雑把に書いてみると…
@によって、できないことを認識してもっと他のアプローチでやってみようかなと考え、Aによって、複数のアプローチで挑戦でき、Bによって、過去に失敗したことを蓄積して同じ過ちをせずに成功確率を高めることができる…
ってことかなぁ…
どれが大切だと思うかって趣旨とずれてきた…(^^;)
すいません。
許してください。
要は何が言いたいのかと言いますと…
あえてこの3つで比較するのであれば、もっとも大切なのはAではないかと思ってます。
数学の場合(とある問題(1問)を解く場合)を例にとってみます。
@は比較的みんなできます。
「できねー」
と認識できればOKなのですから…
Bも比較的みんなできます。
1度やってみたことを、数分後に忘れていてまたやっていた…なんてことはほとんどありませんから…
Aがもっとも大切です。
できない子の多くは…
「やってみたけど、できませんでした」
こればっかりです。
上記の子の場合は"やる行為"自体は行っているので全くやらない子よりはまだマシですが、1回アプローチしてみて終わるケースが後を絶ちません。
「こうやってみたけど、できませんでした」
「そこでこうしてみたら、できました」
こういうのがない。
「やってみたけど、できませんでした」
「こうやってみたけど、これもできませんでした」
「そこでこうしてみたら、できました」
こういうのがない。
これは複数のアプローチを知らないがゆえの行為ではないでしょうか。
数学の場合で言えば、"数学的な考え方"を学んでいない(そもそも教師が"数学的な考え方"を教えようとしていないor教えることができない)がゆえの行為ではないでしょうか。
複数のアプローチを学んでいないと結局"試行錯誤"することができないことにつながります。すぐに飽きてしまったり、粘り強く問題に取り組むことができなくなります。
この複数のアプローチを学び習得することこそが"試行錯誤"する力の育成に繋がるのではないでしょうか。
私はそう思ってます。
じゃあ、どうやって育成すんのよ?
どっかからそんな声が聞こえてきそうですが、それを考えるのが私の研究です(^^;)
考え方の育成の必要性はさんざん叫ばれていますが、実際問題として研究レベルではまだまだこれからの課題です。(単なる経験レベルではあるかもしれませんが、研究として行わないと統制が取れないので単なる感覚になってしまいます)
未知の世界ですよ。
がんばらないとー!!
p.s.
今回は以下の考え方によって"試行錯誤"を考えてみました。
@定義に戻る
A複数案を出す
B順位付け
Cメリット・デメリット