>「たったそれだけであきらめるの?一度や二度ダメだったくらいであきらめるくらいなら、そんな程度だったってことだな」
幼稚園生のときでした。
どうしてこの言葉がもっとも印象に残っているのか私にはよくわかりません。
でも、この言葉が滅茶苦茶印象に残ってる。
今でも頭のなかで当時の情景が残ってます。
居間に隣接する廊下?で私は「積み木」で遊んでいました。
おもちゃを買ってもらえなかった私は小さい頃からモノを自分で創って遊ぶ習慣があり、色んなものを組み合わせたりして遊んでいました。
本来は「積み木」として活用するべきではない正方形のひらがな学習用の木製で出来ている教材?を「積み木」として遊び道具にして遊んでいたときのことです。
当時、私の流行はその「積み木」を一つずつ積み上げていってお城を作って、下のほうの「積み木」を一つずつ取って崩れないようにバランスを保つ…という遊びでした。
これは自分で考えた遊びなのですが、妹や友達と交換に「積み木」をぬいていって倒れたらマケ…というゲームをしていました(ジェンガを連想していただいて、ジェンカがお城の「積み木」になったと考えてください)
最初にお城を作らなければいけないのですが、せっかく頑張って建てたお城を父親が近づいてきて、いきなりなぜか壊しました。
私は泣きました。
そこでもう一度お城を建て直していきました。
やっと作ったお城を父親はまた壊しました。
また泣きました。
そのときに父親がいった言葉…
>「たったそれだけであきらめるの?一度や二度ダメだったくらいであきらめるくらいなら、そんな程度だったってことだな」
当時はこの意味がさっぱりわかりませんでした。
単なる意地悪としか思えなかった…
その後…
また別の機会でも同じ言葉を言われる機会がありました。
私の家は裕福ではないので、高校生の頃、予備校や塾に行きたいと言っても両親は許してくれませんでした。
でも私はこの学校じゃマズイとずーっと思っていて、何度か交渉をしました。やっぱり行かせてもらえせんでした…
そんなときに言われた言葉…
>「たったそれだけであきらめるの?一度や二度ダメだったくらいであきらめるくらいなら、そんな程度だったってことだな」
私はその後、何百回もお願いをしました。何十回ではなく、本当に何百回もお願いしました。
それでもダメでした。
挙句の果てには、母親に通帳まで見せられて家計の状況を事細かに説明され「ここのどこにお金があるの?」と説得されるくらいになるまでお願いをしました。
何度言ってもダメでした。
ならばと私は家出をしました。
何度言ってもダメだったらこうするしかないと思いました。
家出をしてはじめて、条件付きで両親はようやく納得してくれました。
私はそんな家庭で育ちました。
何かしたいと思って両親にお願いをしても、すぐに許可が下りない家庭…
どうにかして両親を説得するために、理由付けして、計画を立てて、有効性を示して、自分の思いを伝えて…
どうしてこんな家庭に生まれたんだ…
当時はそんなことを思う時期もありました。
中途半端な気持ちでは絶対に実行させてもらえない家庭で育ちました…
でも…
今思うと決してそんなことはなくて、本当にあの家庭でよかったって感謝の気持ちでいっぱいです。
あの母親で、あの父親のもとで生まれてよかった。
今の自分がいるのは両親のお陰です。
(普段はそんな態度を見せていませんが…。このブログも見ていないのを知っていて書いています)
実は…そんな両親にも夢があります。
母…トリマーになること
もう50代の母です。
自分の人生の半分以上をひたすら人のためにボランティア活動に捧げてきた母です。そんな母が何気ない会話のなかでちらっと言った言葉でした。
お家で飼っているモカちゃん(犬)の身の回りのお世話をきちんとしてあげたいと…
でもお金がないので学校に通うことはできません…
私は母が2年間専門学校に通えるだけの資金を用意して、まだ何とか体力のあるうちにトリマーになれるように援助するための活動をひそかに始めました。
もちろん自分の夢だってあります。
その夢を実現するための資金も、大学院の学費も、生活費も…すべてを自分の力で用意する必要があります。
でもね。
母の夢を叶えてあげたいんですよ。
ここには詳細を書けませんが…
人一倍苦労してきた母の希望を叶えてあげたい。
あんなに苦労してきてなお笑顔でいつづける母の夢を叶えてあげたい。
どんなときもいつでも身体を気遣ってくれる母の夢を叶えてあげたい。
建前なんて一切関係なく本気になってぶつかってきてくれて、「世の中すべての人を敵に回しても、お母さんはあなたの見方だから」と言ってくれた母の夢を叶えてあげたい。
色々と問題を起こしても懸命に真剣にいつも向き合ってくれて、絶対に逃げないで、絶対的に信頼してくれた母の夢を叶えてあげたい。
お金がないから…なんて理由で諦めないでほしい。
「たったそれだけであきらめるの?」
自分の頭のなかにどこかでいつもこの言葉が舞っています。
私は絶対にあきらめない。
誰がなんといってもあきらめない…
両親の夢を叶える。
子供たちの夢も叶える。
自分の夢も叶える。
みんなの夢を叶える。
がんばります。
みんなの夢を実現できるだけの力を身につけるために。