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2008年01月18日

確率を考慮した点数を想定する

センター直前ですね。
明日、あさっては東工大もセンター試験会場になるので、学生は入構規制がかかって入れなくなります。受験生のみなさんは全力を尽くしてくださいね!!


と…
今日は、センター前日ということもあるので、確率を考慮した点数を想定する…という内容を書きたいと思います。(単に"がんばれっ"ってだけ書くとすごく無責任な感じがするので、少しでも役立ちそうなことを…)


センター試験だけでなく、世の中にはありとあらゆる入学試験やら資格試験やらがありふれています。"試験"と名のつくものにも色々種類があって、記述形式のものから、マーク形式、面接試験に、昇進試験に、卒論に、修論に…たくさんありますね。


みなさんは、なぜセンター試験や一部の私大がマーク形式の試験を採用しているか考えたことありますか?試験の種類はマーク形式だけではないのに、マーク形式を取る理由を…



たとえば、センター試験が記述形式の試験だったことを想定して考えてみます。そうすると、次のような問題が起きたりします(一部です)。

1、一定の採点基準が保てずに採点者による有利・不利が起きてしまう
2、莫大な数の試験枚数を短期間で採点するだけの人員がいない
3、上記2つと関連して人件費の問題(添削やPC入力)や人的ミス
等々の問題




1については、アメリカ?のほうでこんな研究成果があります。

ある一人の生徒の地理の答案を約800名?程度の採点者に採点してもらいました。

そうすると…なんと一桁の点数をつける人から90台の点数をつける人(100点満点)までバラバラになったそうです。

つまり、記述形式ではどんなに採点者が「公平に採点します!」といっても、人による偏りが出てしまい、公平性に欠けてしまうので、センター試験のような公平性が保たれるべき試験には適していない…ということになります。(通信添削等々は公平性が保たれる必要はないので、関係ありません。通信添削について私見もまた別の機会に書こうかな…)


2については、そのままですね。
これだけの人数が一斉に同じ問題を解くことになる以上は、採点側も半端のない人員が必要になってしまいます。


3についても、そのままです。
基本的に人が介入した時点で、人件費や人的ミスのことを考慮せずにはいられません…。



記述形式ではなくてマーク形式にすることによって、人の介入度合いが減り、基本的にコンピュータによる自動処理を行えるので、ミスも減り、感情移入もなく、公平性が保たれると考えるのは至って普通の発想かと思います。

できる限り人が介入しない形でミスを防ごうとしてたりします。(その代わり、マークミスや受験番号記入漏れがあると問答無用でゼロ点やら受験してないことになっちゃいますからね。気をつけてください!!)




で…
上記は記述形式のデメリットについて書いてみました。このままだとマークのほうが良さそうな印象になってしまいそうです…(^^;)


当然、ものごとにはメリットやらデメリットがあります。マーク形式にだって、デメリットはたくさんあります。目的に応じて、どちらの形式を選択するのかを考えることが大切であって、一辺倒に「絶対こっちだ!」ということはありません…


マーク形式のデメリットとして代表的なものとしては、数学に関して言えば、解答の流れがあらかじめ書いてあるので、記述形式よりも先を見通しやすい…ということでしょうか。

次に何を求めて、何をヒントにして解答すればいいのがガイドしてくれているので、それにうまくあわせられるかどうかが大切ですね。(逆に、誘導になっているのでやりづらい…という人も一部いますが)


他には、適当に数字を書いておけば当たる可能性がある…というのもデメリットのひとつとしてあげられるかと思います。適当に書いても当たる可能性がある…ということは、記述形式であればあり得ません。

数学の場合であれば、記述形式であれば、答えだけあっていてもそれは答案としてはゼロ点です。途中経過がないのでダメです。また、マークではよくありますが、たとえば(3)だけがあっていて、他の問題はすべて間違えて‥・ということもほぼありえません(問題の内容にもよりますが)。

(1)で出した解答を使わないと(3)の答えを出せないにも関わらず、(1)は間違いで(3)のみ正解…なんてことはマーク形式独特の採点方法ならでは‥・です。



ん???
もしかすると…
>他には、適当に数字を書いておけば当たる可能性がある…というのもデメリットのひとつとして

というくだりで、違和感を覚えたかたもいるかもしれません。「それはメリットだろっ」って…

これは本当にメリットでしょうか??



もともと、試験を受ける受験生にとっては、条件は一緒です。自分が当たる可能性があるものは、他の受験生だって当たる可能性を秘めています。試験を受けるのは自分だけではありません。試験という名のもと、合格不合格を決める以上は、他の受験生との相対評価のなかでのメリット・デメリットという視点を持つべきではないかと思っています。

そう考えると、適当に書いて答えが当たる…というのは、メリットとして考えるのは妥当ではない…というのが持論です。




一生懸命がんばって勉強して正解した人も3点で、適当に書いて当たった人も3点…

点数としては同じ価値として評価されてしまうマークは、努力をきちんと評価していないことにも通じかねないのではないかと思います…




試験は公平であるべきです。

それは当然です。

ただ、その公平性をどの場面で求めるのかが大切です。

マーク形式であれば、採点業務やPC入力といった人的作業が軽減され、公平性を保てますが、ある問題において、カンで当たることによって公平に評価できないというデメリットも一方ではあります…




ただ受験の世界ではこういった問題点があることを熟知して、利用することも大切だったりします。そもそもカンペキなシステムなど世の中にはありません。であれば、そのシステムの本質を見抜いて利用するのは世の常ではないでしょうか…



わかりやすくするために、モデル事例を用いて上記に書いたことをご紹介してみますね。

☆5択式マークで100点満点を想定します。

○Aさん
教科αは100点満点を取る実力がある

5択式なので、残りの得点できない部分について、適当に答えを書いて1/5の確率で得点できることになります。

適当に解く問題は0点分×1/5=0点

実際の点数…
教科α100点



○Bさん
教科αは80点を取る実力がある

5択式なので、残りの得点できない部分について、適当に答えを書いて1/5の確率で得点できることになります。

適当に解く問題は20点分×1/5=4点

実際の点数…
教科α84点



○Cさん
教科αは50点を取る実力がある

5択式なので、残りの得点できない部分について、適当に答えを書いて1/5の確率で得点できることになります。

適当に解く問題は50点分×1/5=10点

実際の点数…
教科α60点


100点満点の実力がある生徒が100点で、80点を取る実力のある生徒が84点で、50点を取る実力のある生徒が60点で…


差が縮まりましたね…




あとはこのモデルを実際のどうやって活用して、点数を1点でもあげるか…です。

理論的には、明日の試験で1点でも多く取るためにこれから何をするべきなのかは見えています。





う〜ん・・・

でもそれはナイショ…
ここまで書いたので、あとは企業ヒミツということにしておきますね。


数学を習っている人は実生活の問題で活用しないとですよ。上記は数学の知識としては、IAまでの範囲内しか使ってないです…(結局は期待値の話なので)


p.s.
ちなみにヒントとしては…
「合計点勝負」であることをお忘れなく…
それと「得点域別の上昇率」の話を知ってるとなお良い…(知らなくとも上記だけでOK)



posted by yuichi_saito at 08:50| 家庭教師指導記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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