これだと問題提起として漠然としすぎているのでもう少し詳細に…
たとえば、テスト対策をするにあたって、自分で何をしたらどのくらいの点数を取れるのかを判断できる子ってどのくらいいるのでしょうか?
提示方法にもよるかと思うんだけど、たとえば次の2通りが考えられます(よりわかりやすくするために具体的かつ単純化して、実際の指導場面で役立つ形で教師側の説明や発問を書きますね)
○1つ目
テスト対策するのに、あと1時間しかありません。
Aを解きますか?
Bを解きますか?
○2つ目
テスト対策するのに、あと1時間しかありません。
何をしますか?
このそれぞれについて、以下の年代の子供たちの回答ってどうなるんだろう??
・小学生(高学年)
・中学生
・高校生
上記の場合、当然2よりも1のほうが難易度が低いです。
1の場合、指導者側で選択肢を考えてあげて、選択させてあげるぶん、子供たちが考えなくて済むので、2の場合よりも子供たちがラクをすることができますので…
でも、絶えず1の提示方法で子供たちに選択して、意思決定させていたら、いつまでたっても子供たちは自立できません。子供たちが自分で何をするべきなのかを意思決定できなければ、到底ひとりで新しい課題に立ち向かうことなんてできないです…
だから、どこかのタイミングで提示方法を変える必要があるんだろな…
実は、現在将来経営者になりたいという生徒さんを受け持ってます。
ある方は「経営者は判断業」とおっしゃっていたけど、私もまさにその通りだと思っていて、経営者になりたいのであれば、自分で絶えず何をするのかを意思決定していく必要がある。
だから、この子の将来を考えると、私が常に「○○をしましょう」と課題提示していたら意思決定する力が身につかないし、立派な一人前の経営者になれない。
この子の場合、これまで人に言われたことしかやることができなかったみたいだから、練習する場を用意してあげる必要があります…。だから、私がその練習機会を絶えず用意して、意思決定できるようにン導こうとしてます。
子供たちへの指導を考えた場合(これは一般論です)、できない状態からできる状態へといきなり変化するんじゃなくて、ある程度の段階があって、少しずつできるようになっていきます。
だから指導者はどうやってその段階を設定するのかが一つの指導者としての能力になります。
今回、この子への意思決定力を身につける指導法として私は以下の4段階を考えました。わかりやすくするために、状況としては前の例と同じものを想定します。
テスト対策するのに、あと1時間しかありません。
○1段階目→具体的指示型
「Aをやりましょう」
○2段階目→具体的選択肢型
「Aを解きますか?Bを解きますか?」
○3段階目→抽象的発問型
「何をしますか?」
○4段階目→提示なし型
「…」
1段階目は最低レベルです。
誰かがこれをやりなさいと言って、やるようなレベルでは到底将来的に経営者にはなれない(会社員でも危うい?要は指示待ち人間ということですから)。これができるようになれば次のレベルに移ります。
2段階目はきちんと選択できるかどうかを見定めます。
子供たちよりは指導者側のほうがよりどちらの問題を解いたほうが効果や効率がいいのかはわかるので、意図的に「よい選択肢」と「悪い選択肢」を用意し、生徒に選択をさせ訓練します。これができるようになれば次の段階へ進みます。
3段階目は、抽象的な発問をしていきます。
具体的ではないので、生徒自身が自分で具体化する作業をすることが求められます。この具体化できるようになれば、もう少しで自分で意思決定できるようになれます。
4段階目は、指導者は何も提示しません。
子供たちが自分で考え、適切な課題を選択し、行動する必要が出てきます。より具体的にすると、子供たちの思考過程としては、3段階目の「何をするのか」と考え、さらに2段階目の「AかBをする必要があるな」と考え、1段階目の「Aをやろう」と意思決定し、行動する…。
ここまでできることを見届けることができれば、その指導者がいなくなったあとであっても、子供たちは自分で意思決定することができ、自立したといえるでしょう…
みなさんは子供たちに意思決定力を指導するためにどのように段階設定しますか?
ぜひ聞いてみたいー(^^)
せっかくなのでコメントオープンにしますね。
何かご意見なりや自分なりのアプローチのある方、コメントくださいー☆感想でも構いません。
考えたことがない人はこの機会にぜひ考えてみてくださいね!!
意思決定は、研究テーマになるくらいだから本当に難しいことなんだとは思います。私は完全にマッチする専門ではないんだけど(大学院ではお隣さんの研究室が専門でしたが)、人が行動を起こす前にどのように意思決定するのか…そのメカニズムを解明するのって人類にとってとても有意義な意味ある研究だと思ってます…